マンガでわかる企画書の作り方

    企画書つくりの本は書店コーナーにあふれかえるくらい陳列されています。ロジカルシンキングを重視するものやフォーマットを強調するものまで。その中から自分が一番しっくりきたのがこの本でした。著者らのサイトで紹介されているようにこの本の売りは次の二つ。
   ・ 初心者、超初心者向け (解説半分、マンガ半分)
   ・ 中級者にも役立つ「心理学テクニック」
    適度な余白があってとても見やすくそして読みやすいつくりになっていますが、内容はとても濃いです。なぜ企画書を書かなくてはならないのか?書くメリットは何か?等whyに関わる部分も平易な言葉で解説しています。また、「認知心理学」や「色彩心理学」といった学問を駆使したテクニカルなアドバイスも特徴的です (著者らの専門のようです)。こんな色をつかった方がいいよ等のテクニカルな指摘も参考になると思います。
    「いや、アイデアはある。でも企画書が書けない。そんなときはまずは、自分でもわかるように整理してあげることだ。自分で整理できていないものを人に説明しようとするから、混乱してしまう。ぼんやりと頭の中にアイデアが浮かんでも、それを文章にして表現できない人はとても多い。でも、それは自分のアイデアをよくわかっていないことと同じである。わかりやすく、ひと言で相手に伝えられないアイデアは、自分で理解しているとは言いがたい。」 (P.14 そもそもなぜ企画書が書けないのか?)
↑の文言が印象に残りました。“気軽な思いつき”が直面する課題を見事についていると思います。
    同時に別の感想も。社内外問わず自主性とは何かとよく議論されていることが多いかと思いますが、この本が提唱するような企画書をかく風土や文化がつけばその議論の時間は不要となるでしょう。