灯台の光はなぜ遠くまで届くのか 時代を変えたフレネルレンズの軌跡

海難事故が多発する18世紀フランス、オタクだったフレネルが開発したのがフレネルレンズ。このおかげで小さな光を効率よく集めることができ、船上の人々に文字通り希望の光を届けます。まさに必要は発明の母であることを知りました。さらに、このレンズのおかげで歴史が動いたとは目からうろこでした。南北戦争、ペリー来航、WWI、WWII。至るところでこのレンズが要所に出てきます。

暗黒の海を照らした唯一の存在。守り神でもあり、象徴としての役割もある。このレンズのおがげで、海上輸送と世界貿易は飛躍的に拡大し、近代化に大きく寄与しました。今でこそレーダー技術の発展で、その役割は退役。誕生から退役に至るまでの一部始終が書かれており、一気に読み上げることができました。数あるブルーバックス本の中でもイチオシの一冊です。歴史や物理が得意でない方にも読めます。ドキュメンタリー調で読みやすいです。

なお、千葉の犬吠埼灯台にはフレネルレンズが陳列されています。関心のある方はぜひ。私も見に行きました。ただ感動。