陸海軍戦史に学ぶ負ける組織と日本人

 本のそでに書かれた一文。「組織としての危機管理能力、指揮系統の柔軟性と迅速性がなければ、ただの張子の虎である。」耳が痛くありませんか?そこの上長の皆様!お願いしますよ、マジで。

 この本は、戦争中の陸/海軍の作戦行動の欠点を明らかにし、組織論という観点から集団としての日本と日本人の問題点を探っていく、という内容です。

面白かった点は、「平時と戦時の人事を同じにしてはならない」「季節感を無視した作戦は失敗する」「会計年度に縛られた作戦も失敗する」というところです。多くの企業で同じことが起きていると思います。歴史は繰り返す。

 肝心なのは負けたあと、最年長で将棋の名人になった米長邦雄氏の名セリフ。小学生の頃にこのタイトルの本を読んでいて、周囲から奇人扱いされていたような。それはともかく、もう負けるのは懲り懲りです、私は。なかなか日本も難しい状況にあると思いますが、他国も一緒です。本書で指摘された点を繰り返さないだけで生産性はあがると思います。断言してもいいです。