「複雑系」とは何か

  今日は少し小難しい本をご紹介します。一番難しい書籍かも、専門性が高い意味で。

 

本書のタイトルである、「複雑系」とは何か。一言で説明すると、

 世界をシステムベースで再定義する科学。複雑なものを複雑なまま捉えようとする科学

 といったところでしょうか。

 脱・要素還元論としての学問とも言えると思います。本の帯の言葉通り、

           これが新しい「知」のパラダイムだ!

 なお、本書は、96年に刊行された本であり、それからの約20年の年月を経ていますが、その本質はほとんど変わっていません。その本質的な部分を感じさせてくれる一冊です。学際的な内容ですので、かなり歯ごたえがあると思います。知識集約型の最難度の創薬事業もこの複雑系のエッセンスを少しでも加味すれば、成功率が上がるであろう、という確かな予感を私はもっています。また、哲学的な雰囲気を醸し出す学問でもあるので、非理系でも理屈好きな文系の方でも楽しめる内容ではないかと思います。ぜひお読みください。